第55回 日本医真菌学会学術集会

会長挨拶

第55回日本医真菌学会学術集会開催にあたって

第55回日本医真菌学会学術集会を、2011年10月21日(金)22日(土)の両日、東京の椿山荘で開催させて頂くことになりました。誠に光栄に存じております。 

順天堂大学では、これまでに日本医真菌学会総会を、第6回(1962年)土屋毅教授(細菌学)、第13回(1969年)水野重光教授(産婦人科学)、第20回(1976年)宮崎寛明教授(皮膚科学)、第25回(1981年)池本秀雄教授(内科学)、第42回(1998年)渡邉一功教授(内科学)、第46回(2002年)小川秀興教授(皮膚科学)が、それぞれ開催されておられます。このような医真菌学会で活躍された先生方のおられた大学に所属し、この学会を開催させていただきますことは、誠に身の引きしまる思いがいたします。

私は、日本医真菌学会へ入会して35年が経ちました。皮膚科医として毎日患者を診察して、真菌を培養することを続けて参りましたが、いつも思うことは、医真菌学は、やはり基礎と臨床があっての医真菌学なのだということです。医学が目覚しい発展を遂げ、今日の医真菌学は基礎医学と臨床医学の溝が益々深くなっているように思います。そこで今回の学会のテーマは、「基礎から臨床へ、臨床から基礎への提案」と致しました。この学会では、もう一度医真菌学の原点に立って、基礎・臨床の両面に立って論じて頂ければと願っています。

特別講演1は、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻/医学系研究科疾患生命工学センター教授、片岡一則先生に、「薬を患部に運ぶナノカプセル ~医真菌学領域への応用の展望~」についてお話頂きます。先生は、超分子ナノデバイスによる薬物・遺伝子のピンポイントデリバリーの研究の権威で、医学と工学との"bridge"について易しくご講演頂きます。特別講演2は、第18回国際医真菌学会会長(2012年)の M. Ruhnke教授には、「Invitation to the 18th ISHAM congress 2012 in Berlin, Germany」についてお話頂く予定です。シンポジウムと基礎・臨床セミナーでは、真菌症の原因菌を巡って、基礎と臨床からの両者の立場の先生より問題点をご提示、討論をして頂く予定でおります。その他共催セミナーを企画しております。一般演題は、ポスター発表として、ご希望の先生には、同時にご口演して頂くことにしております。活発な討論が行われますことを期待しております。また、顕微鏡コーナーを設けますので、病原真菌の固定分離菌、顕微鏡標本をご持参ください。参加者に手に取って観察して貰えるようにしたいと思います。

 インターネットなどの情報革命の中、学会の役割も急激な変化をみせております。出来るだけ多くの皆様のご参加を頂き、ヒトとヒトとの生の情報交換を大切に考え、活発で実り多い総会に致したいと存じております。何卒ふるってご参加を頂けますようにお願い申し上げます。