第50回 日本医真菌学会総会開催にあたって

第50回日本医真菌学会総会
会 長 渡 辺 晋 一
(帝京大学医学部皮膚科)

このたび,歴史ある日本医真菌学会総会を第50回という節目の時期に当教室で開催させて頂くこととなり, 身に余る光栄です。

日本医真菌学会は、昭和31年(1956年)秋に創立され、日本医学会分科会の中でも古い歴史を有しており、病原真菌や真菌症に関する唯一の専門学会として、わが国の医真菌学研究のうえで、長年にわたって中心的な役割を果たしてきました。 帝京大学ではこれまで, 第31回(1987年)が高橋 久先生(現帝京大学医学部皮膚科名誉教授), 第34回(1990年)が山口英世先生(現帝京大学医真菌研究センター名誉教授)により開催されました。

今回は第50回日本医真菌学会という節目の時なので、「日本医真菌学会50年の歩み」というテーマのもとに、50周年の記念式典と記念講演を執り行います。記念式典ではInternational Society for Human and Animal Mycology(ISHAM)の会長である米国CDCのDavid W. Warnock先生、日本医学会の会長である高久史麿先生、および日本感染症学会理事長の砂川慶介先生、日本化学療法学会理事長の柴 孝也先生から御来賓のご祝辞をいただく予定にしております。また50周年の記念講演として、David W. Warnock先生に加え、日本側では内科、皮膚科、病理、菌学、その他の領域での日本医真菌学会50年の歩みをそれぞれ森 健先生、高橋 久先生、奥平雅彦先生、宮治 誠先生、山口英世先生にお話していただく予定にしております。その他米国NIHのJohn E. Bennett先生にも講演をお願いしてあります。また今回は50周年の記念事業として、長谷川篤彦先生を編集主幹として50周年記念誌を発行する予定にしております。内容は50周年を記念する医真菌学会の歴史やその随筆など興味深い内容の文章を名誉会員、功労会員、理事・監事経験者の先生方にお願いしており、学会参加者には学会当日お配りする予定ですので、楽しみにして下さい。

一般講演に関しましては、今回はタイトなスケジュールなため、ポスター発表に致しました。そしてその中から興味深いものを集め,2日目にいくつかのシンポジウムを行う予定にしております。また ポスター賞選考には組織委員会とは別にポスター賞選考委員会を設け, 基礎から臨床の種々の分野から優れたポスターを厳正に選び、学会終了時にポスター賞の授与を行う予定にしております。

医真菌学会会員はもとより関連領域学会の会員, 学生の方々にも広く御参加いただき、最新の研究成果の発表あるいは先端的諸問題の活発な議論が交わされることを祈念致しております。帝京大学医学部の関係者一同, 皆様方の御参加を心からお待ち申し上げております.